発酵食品の種類一覧-ダイエットと健康効果,効能が高いスーパーフード

鰹節-かつお節

日本の夏は高温多湿ということもあり、食品の発酵に適した気候と言えます。

嫌われ者でもあるカビは気温が20~35℃、湿度が70%以上という環境で発生しやすくなります。ちょうど、6月の梅雨の時期からカビにとって快適な季節。

この時期からカビが発生しやすくなることもあり、不快な季節。

しかし、日本人はこれを逆手に取って、カビ食(発酵食品)文化を発展させてきました。

食品を発酵させることで保存性が高まり味と栄養素が格段に豊かになります。発酵食品はメリットが非常に多く、スーパーフードと言っても過言ではありません。

しかも、日本の先人達は化学薬品は一切未使用で生活に発酵食品を取り入れてきました。発酵食品はエコロジー食品と言えますし、日本は世界的に有数の発酵食品大国なのです。

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ダイエット効果

発酵食品はアミノ酸を多く含んでいます。アミノ酸は体に必須の栄養素ながら、脂肪が燃焼しやすくなります。

また、発酵食品は腸内細菌のバランスを整えてくれますから、整腸作用があり便秘解消にもつながります。

微生物の発酵を利用した食品

ここで、微生物の働きによる発酵を利用した食品をまとめてみましょう。

発酵食品は私たちの食生活を支えていて、味噌、醤油、魚醤油、醸造酢、みりん、納豆、かつお節、漬物、甘酒、パン、ヨーグルト、チーズ、キムチ、日本酒、ワイン、ビール、焼酎等があります。

他に、日本各地の郷土料理の中に、魚を使って発酵させた食品があります。

順に、各調味料や食品、アルコール飲料の特徴を見ていきましょう。

味噌

味噌

味噌は和食に欠かせない発酵調味料。豆味噌、米味噌、麦味噌に大別されます。材料は、各種麹、大豆、食塩。

麹菌の種類は、大豆、米、麦、これらを合わせたもの。

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地域によって味噌に対する嗜好が多様なため、日本には1000社以上の味噌製造メーカーがあります。味噌は南へ行くほど甘口になり、九州の手作り麦味噌は優しい甘みが特徴。麦味噌の生産比率は全体の5%程度のレア物として食通の人気を集めています。

醤油

濃口醤油

醤油も和食には欠かせない発酵調味料。濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、再仕込み醤油、白醤油の5種類に分けられます。材料は、大豆、小麦、食塩。

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本物の醤油と醤油もどきの偽物の違いは何でしょう。まず、味がまるで違います。醤油の製造方法は3種類に分けられ、ラベル表示を確認すれば明白です。醤油には、遺伝子組み換え品の表示義務がありませんから、製法と価格で安心なものを選びたいですね。
味噌と醤油は西へ行くほど甘くなります。特に、九州地方は温暖な気候のため熟成期間が早く、甘口醤油が多いのが特徴です。鹿児島の甘口醤油は生産量が少ないレア物。蔵元の職人が生み出す手作り醤油は食通の間で人気が高く、お取り寄せ通販で試してみたい。

魚醤油

魚醤油

かつては魚醤が庶民の味でした。

魚醤は魚介類を食塩と一緒にして、1年から数年、発酵熟成させて製造されます。製造方法は大豆で作る醤油と同じながら、魚醤は魚介類が持つ酵素で分解される点に違いがあります。

三大魚醤

秋田県のハタハタを使用した「しょっつる」、

石川県のスルメイカを使用した「いしり」、

香川のイカナゴを使用した「いかなご醤油」。

醸造酢

酢

食酢は世界最古の調味料と言われ、日本で食酢の醸造が始まったのは4世紀後半あたり。食酢は調味料としてはもちろん、殺菌作用による食品保存の目的でも使われています。寿司にお酢が使われるのは先人の英知とも言えます。

食酢は大きく醸造酢と合成酢に分類されます。

醸造酢

  • 穀物酢(食酢全体の44.3%):米酢、米黒酢、麦芽酢
  • 果実酢(6.4%):シェリー、ワインのビネガー、柿酢、リンゴ酢

合成酢

  • 工業用アルコールを使い、化学的に合成されたもの。(食酢全体の0.3%)

みりん

みりん

みりんは和食の調味料として幅広く使われています。

本みりん

原料は、蒸したもち米、米麹、焼酎またはアルコール。アルコール分は約14%。

みりん風調味料

糖類、米麹、調味料等。アルコール分は1%未満。

発酵調味料

米、米麹、糖類、アルコール、食塩等。アルコール分は約14%。

納豆

納豆

納豆は、日本の食卓のレギュラー食品。納豆は大豆を納豆菌で発酵させて作られます。

材料は大豆と納豆菌。

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納豆は和食、日本人にとって欠かせない発酵食品。納豆には、健康成分であるビタミンB2や骨にいいビタミンK1,K2が含まれ、血栓を溶かして血圧を下げる効果が期待できます。更に、納豆は腸内環境を整えるサポート役として、健康効果が期待できます。

鰹節

鰹節-かつお節

和食の出汁を取る上で、鰹節は欠かせません。かつお節は世界一、硬い発酵食品。鰹節はカツオにカビを付けて発酵させた食品です。

本枯節

カツオを解凍して生切りします。次に熱湯で煮熟します。骨抜き工程を経て、水抜き・焙乾して水分を抜いていきます。

次に、まだカビが付いていない裸節を戸外で1~2時間乾燥させて、温度と湿度が一定に保たれた部屋で約2週間ほど経過すると、カツオ全体がカビで覆われます。これを一番カビと呼びます。

四番カビ以上を付けた物を本枯節と呼びます。本枯節は手間と時間がかかる発酵食品です。

鰹節の製造工程

[カツオから頭や内臓を取る]

[三枚おろし]

[煮熟]

[骨抜き]

[焙乾(一番火)]

[焙乾(二番火→あん蒸)3番から10回焙乾する]

[荒節]

[表面削り]

麹菌

[カビ付け、天日干しを繰り返す]

[本枯節、または枯節]

枯節

三番カビまで付けた物を枯節と呼びます。

荒節

カツオにカビを付けないで削ったものを荒節と呼びます。

漬物

漬物

漬物は無発酵のものと、発酵させたものがあります。

漬物を発酵させる目的は旨味を引き出し、栄養素を豊かにするためです。漬物を発酵させる菌として、乳酸菌、酵母、麹菌、枯草菌、酪酸菌があります。

漬物の栄養

日本のマーケットでは減塩のニーズがありますから、漬物は塩分が多い食品というイメージがあるかもしれません。

しかし、漬物は塩分の多寡よりも、メリットが多い食品であることを忘れないようにしたいもの。

生野菜を食べる際、野菜の栄養素が失われることは少ないものの、食べられる量に限りがあります。他方、野菜を加熱することで、より多く食べられることができます。ただ、ビタミンが減少してしまう問題があります。

そこで、漬物であれば、これらのデメリットを補うことができます。

無発酵の漬物

  • ラッキョウ、生姜の酢漬、梅干しの塩漬、キュウリの醤油漬

発酵させた漬物

  • 松前漬、いぶりがっこ、長なす漬、やたら味噌漬、きゅうりの岩代漬、なすのからし漬、わさび漬、守口漬、千枚漬、奈良漬、津田かぶ漬、寒漬、三池高菜漬、阿蘇高菜漬、山川漬、パパイヤ漬、なれずし等
  • (海外偏)ピクルス、キムチ、メンマ、ザーサイ、ザワークラウト

甘酒

甘酒

甘酒は飲む点滴とも言われ、栄養価が高い発酵食品です。

甘酒は多糖類に属するため、体内でゆっくりと分解、吸収されていきます。よって、血糖値が上がりにくく体への負担が小さい特徴があります。材料はお米と麹。

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甘酒は昔から夏の季語になっています。甘酒は飲む点滴とも言われ、栄養価が高い飲み物です。甘酒は飲む美容液と言っても、あながち間違いではないでしょう。甘酒は体内でゆっくり消化されるため体に優しく、夏は冷やして、冬はホットで味わいたいですね。

パン

パン

世界には5000種類以上のパンが存在すると言われ、パンを主食としている国も少なくありません。ドイツやフランスでは、パンは多くの国民から愛されています。

パンの材料は小麦粉、水、酵母。

ヨーグルト

ヨーグルト

ヨーグルトは殺菌した乳に乳酸菌を入れて作られる発酵乳の一種です。

乳酸菌は乳に含まれる乳糖などの糖分を栄養源にして増加し、乳酸や酢酸を作ります。これらは酸性のため、乳のタンパク質が固まります。これにより、ヨーグルト特有のとろみが出来上がります。

チーズ

チーズ

チーズの種類は世界で1000種類を超えると言われます。

乳を凝乳酵素の作用で固めて水分を減らし、多くの場合は乳酸菌で熟成発酵させたものがチーズとなります。チーズは加熱するか非加熱かの違いによって分けられます。

・加熱処理したチーズ:プロセスチーズ

・加熱処理しないチーズ:ナチュラルチーズ

チーズの分類

軟質チーズ(水分50%以上)

・非熟成(フレッシュ):カッテージ、クリーム、モッツァレラ

・熟成

  • (細菌):ボン、レヴェック、リンバーガー、マンスティール
  • (白カビ):カマンベール、ブリー
  • (ヤギ乳のチーズ):ヴァラセン

半硬質チーズ(水分40~50%)

・細菌熟成:チルジット、ミュンスター、ブリック

・青カビ熟成:ロックホール、ブルー、ゴルゴンゾーラ、スティルトン

硬質チーズ(水分25~40%)

・乳酸発酵(チーズの眼無し):ゴーダ、エダム、チェダー

・ブロビオン(チーズの眼有り):エメンタール、グリュイエール

超硬質チーズ(水分20%以下)

・細菌熟成:パルメザン、ロマノ

キムチ

キムチ

キムチの材料は白菜、大根、にんじん、せり、ニラ、唐辛子(ヤンニョム)、塩、砂糖。

本漬で3~4日経過すると、乳酸発酵して出来上がります。

日本酒

日本酒

醸造酒である清酒は、原料に含まれる糖質が酵母のはたらきでアルコール発酵したもの。アルコール分が低く、エキス成分が高いのが特徴です。清酒の材料は米、麹、水。

清酒は「特定名称酒」と「普通酒」に分類されます。

特定名称酒の種類

吟醸酒

  • 精米歩合60%以下の白米と米麹、および水、または醸造アルコールを原料とする酒。特有の香りがある。

純米酒

  • 白米、米麹、水だけを原料とする酒。精米歩合60%以下の白米を原料とするものは特別純米酒と呼ばれる。

本醸造酒

  • 精米歩合が70%以下の白米、米麹、醸造アルコール、水を原料とする酒。

これらの中で、純米酒は昔から作られている本当の日本酒です。

ワイン

赤ワイン

ワインはブドウを発酵させたもので、色分けすると、赤、白、ロゼの3種類。

ブドウの果皮には天然の酵母が付着しているため、本来、絞った果汁をそのままにしておけば、自然に発酵してアルコール分を含むワインが出来上がります。

ワインの醸造工程

赤ワイン

  1. [破砕]:ブドウ果実を破砕機に入れて、果実を砕きます。
  2. [果もろみ]:破砕された果汁と果皮に酵母を加えてアルコール発酵させます。
  3. [圧搾]:1週間ほど発酵させてから、圧搾して発酵液を取り出します。
  4. [マロラクティック発酵]:発酵液をタンクで熟成させます。この間、マロラクティック発酵によりリンゴ酸が乳酸に変化します。
  5. [新酒]:瓶詰めして出荷します。

白ワイン

  1. [圧搾]:破砕された果汁と果皮を圧搾して、種子と果皮を取り除きます。
  2. [果もろみ]:果汁に酵母を加えてアルコール発酵させます。

ビール

ビール

日本のビールの原料は、麦芽(二条大麦)、ホップ、水。

仕込みの段階で麦芽をお湯につけます。次に、酵母を入れて発酵させます。1週間ほど経過すると初期段階のビールが出来上がります。そして、冷やされたタンクの中でしばらく熟成させます。

発酵が進んでから、濾過されて缶や瓶に詰められて出荷されます。

焼酎

焼酎

焼酎の原材料は麦やサツマイモ、米と麹、酵母、水から作られます。

代表的な麦焼酎、芋焼酎、米焼酎の他に、トウモロコシやそばを原料にしたものまで幅広いのが焼酎の特徴です。

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最後に

日本の食卓には、改めて発酵食品がとても多いことに気付きます。

和食と発酵食品は切っても切れない関係があります。和食に欠かせない味噌や醤油、鰹節は発酵食品の元祖です。

食材を発酵させることで栄養素が飛躍的に高まり、保存性も高まります。発酵食品は英知の結晶とも言えます。

おばあちゃんが作る料理には、必ず発酵食品が使われています。また、地域によって郷土料理が数多くあります。

年齢を重ねてきた女性が作る料理は自分の親から引き継いだレシピもあるでしょう。また、長年の食生活の中で経験的、体感的に体にいいと考えられる食事です。

それは、日本の貴重な食文化ですし、日本人の健康を支えているスーパーフードですね。

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