遺伝子組み換え食品GMOをできるだけ避けたい-混入率5%と0.9%ルール

トウモロコシ、とうもろこし

遺伝子組み換えとは、生物が持っている遺伝子に別の生物の遺伝子を人工的に組み入れることです。これにより、その生物が持っていなかった性質を持たせることが可能になります。

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GMOのラベル表示

食品のパッケージの裏側に貼られているラベルを見ると、よく「〇△□(遺伝子組み換えではない)」という表示を見かけます。

ところが、トウモロコシやジャガイモ、大豆等は流通過程において遺伝子組み換え食品(以下、GMO : Genetically Modified Organism)が混入してしまう可能性があります。

GMOと加工食品には、食品衛生法とJAS法により、遺伝子組換え食品の表示が義務づけられています。

(表示対象の食品)

(1)農産物(8作物)

丸大豆

大豆(枝豆、大豆もやしを含む)、トウモロコシ、馬鈴薯、菜種、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤ。

(2)加工食品(33食品)

上記(1)を原材料とする33種類の加工食品。

日本の5%ルール

日本でGMOが混入している場合、混入率が5%未満なら表示義務は無いため「遺伝子組換えでない」とラベルに表示できます

ちなみに、EUは混入率が0.9%未満であれば、表示義務がありません。

また、しょうゆ、植物油等は原材料が加工されているため、遺伝子の検査で検証ができません。このような食品は表示の対象外となっています。

[表示義務が無い遺伝子組み換え食品]

畜産物 肉、卵、牛乳、チーズ等
食用油 サラダ油、植物油、マーガリン、マヨネーズ
甘味料 コーンシロップ、果糖、ぶどう糖、調味料
その他 コーンフレーク、醸造用アルコール

つまり、自給自足の生活でGMOを口にすることがほとんど無い人を除いて、多くの日本人はGMOを口に入れていることになります。

この5%ルールをどう捉えるかは、人それぞれでしょう。しかし、GMOはアメリカのモンサント社が農薬とセットで作り出した食品であり、合理的な農業経営を後押ししてきたことは確かでしょう。

しかし、GMOが人体にどのような影響を与えるのかは、未だ未知数の点が多いのです。そのような食品は、食卓から可能な限り排除すべきという考え方もあります。

遺伝子組み換えの方法

遺伝子組み換えの方法として、大きくパーティクルガン法、アグロバクテリウム法、エレクトロポレーション法の3つがあります。

パーティクルガン法

生物や植物から遺伝子をピックアップし、金(Gold)の微粒子にまぶします。

金にまぶした遺伝子を高圧ガスや火薬の力を用いて、組み換え対象の細胞めがけて撃ち込みます。

稲のような細胞壁が硬い植物でも、上記の方法で貫通させることができます。

アグロバクテリウム法

アグロバクテリウムからプラスアミド(運び屋遺伝子)を取り出します。

プラスアミドの一部をカットして別の生物や植物からカットした有用遺伝子(例えば、寒さに強いものや、病気に強いもの)を繋ぎます。

これを対象の細胞に接触させて培養します。

組み換え対象の細胞は寒さや病気に強くなります。

エレクトロポレーション法

組み換え対象植物の細胞の細胞壁を薬品によって溶かします。(プロトプラスト状態)

この状態に組み入れたい有用遺伝子を同じ溶液に入れて、電圧パルスを与える。

プロトプラストの表面に穴が開き、そこに有用遺伝子が入り込みます。

これは細胞壁が硬い穀物等で使われる手法です。

遺伝子組み換え技術は開発途上

複雑な遺伝子は、全体が一つとなって機能しています。それは、コンピューターのプログラムのようなものです。ある遺伝子に他の遺伝子を組み込むことで、何が起こるか予測ができない問題があります。

他の遺伝子がバグのような作用をして、システムに不具合が発生する可能性はゼロではありません。人体にアレルゲンを生み出したり、毒素を作ってしまうかもしれません。

遺伝子組み換えは、まだ開発途上のバイオテクノロジーであり、100%絶対に安全とは断言できない考えが多いのが現状です。

キングコーン

とうもろこし畑

遺伝子組み換え食品として、キングコーンが有名です。キングコーンは、主に家畜用として栽培されています。

害虫はキングコーンに近寄らず、もし害虫がコーンを食べたら死に至ります。このような食材が姿形を変えて、あらゆる食品となり、人の口に入ってきます。

GMOは昆虫に毒性があっても、人体には影響が無いという理論があるようです。しかし、これをどのように解釈するかは、人それぞれで微妙です。

そもそも、GMOは自然界に存在していませんでした。バイオテクノロジーを駆使して誕生したGMOは、人体にとって未知の食品です。

自然界に存在しないものを口に入れることで、体が何らかの反応を示しても不思議ではありません。

「君子危うきに近寄らず」という言葉があります。企業が短期的なスタンスで作り上げた理論はさておき、自分の動物的な直感を働かせることは、生きていく上で大切なのではないでしょうか。

GMOを避けるには

なるべく外食を控える

そもそも外食産業の世界では、GMOの表示義務はありません。かと言って、ビジネスマンにとって、外食を一切控えるような生活は非現実的です。

飲食店のメニューの価格設定が妙に安い場合、それは、何らかの方法でコストダウンが図られていると考えて間違いはないでしょう。

価格で飛びつかない

そもそも、食品を扱う業者が食材を大量に仕入れても、工業分野の素材と違って、大幅なコストダウンは容易ではないと言われます。

旬の食材は、その時の需給バランスによって価格が上下します。

今日、日本国内のスーパーマーケットで売られている国産野菜や果物の価格は、もちろん店によって違いがあります。ただ、妙に価格が安い輸入食材や冷凍食品は、相応の背景と理由があるはずです。

調味料に気を付ける

スーパーマーケットの新聞折込チラシには、よく各種調味料が特価品の目玉商品として印刷されています。

そもそも、質の良い材料で手間をかけて作られている調味料は、どうしても製造コストが高くなります。よって、スーパーとしては、そのような調味料は特価品の対象外となるはずです。

調味料の代表例として、醤油は3つに分類されます。

寿司と醤油

調味料の一例

醤油(しょうゆ)の製造方法はJASにより3つに分類されます。

本醸造 材料:大豆、小麦、塩

[製麹]

[大豆、小麦を発酵・熟成]

[圧搾]

[火入れ・濾過]

混合醸造 [もろみ]

[アミノ酸液を添加]

[短期間で熟成]

混合法 [生揚げ醤油]

+

[アミノ酸液等]

※発酵・熟成させない

これらの製法の中で「混合醸造」と「混合法」は製造コストが安くなります。混合法で作られている醤油は、醤油のようで醤油ではない調味料と言えます。

スーパーマーケットで、安価なセール品として目玉商品になっている醤油は、遺伝子組み換え品である可能性がゼロではないと考えた方が賢明でしょう。

あなたが食べたものが、あなたそのもの

安いものには理由があるのは、食品に限ったことではありません。

よく「安物買いの銭失い」と言われます。

安い物を買って不具合が出たり、すぐに壊れてしまったら、次回からは、品質を考えて品定めをするはずです。誰でも、このような経験が1度や2度はあるはずです。

ところが、口に入れる「食品」は自分の将来の「体」を作る「源」となります。口に入れた食品が食道を通って胃に入り、消化されて小腸、大腸へと送られていきます。

安価で未知数の食品を食べ続けた結果、体からSOSサインが発せられしまったらどうでしょう?

英語でこのような表現があります。

“You are what you eat.”

翻訳すると、「あなたが食べたものが、あなたそのもの。」という意味になります。

今の食環境の中で、食卓からGMOを完全に排除することは容易ではありません。しかし、日常的に「GMO」の存在を頭の片隅に入れておいて、それを意識した生活を送りたいものです。

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本物の醤油と醤油もどきの偽物の違いは何でしょう。まず、味がまるで違います。醤油の製造方法は3種類に分けられ、ラベル表示を確認すれば明白です。醤油には、遺伝子組み換え品の表示義務がありませんから、製法と価格で安心なものを選びたいですね。